建築?環境デザイン学科Department of Architecture and Environmental Design

工藤光留|河北町根際における里山管理の意義と維持継承の研究
山形県出身
渡部桂ゼミ

 近年、農村の高齢化や過疎化が進み、担い手不足による耕作放棄地が問題となっている。山形県河北町も、このような社会問題に直面している町の一つである。河北町は古くから水田開発が進められ、稲作と紅花を中心に農業地域として発展してきた。しかし、近年の担い手不足により、農村として衰退の一途をたどっている。その影響として、里山にはほとんど人が入らず、放置されたことにより山が荒れ、獣害問題や生態系の変化など、さまざまな問題を引き起こしている。この様な里山利用の衰退を食い止めるために、里山を適切に継承し、維持管理していくことが重要である。本研究では河北町根際における里山の衰退による生活への影響と里山管理の意義を明らかにし、持続的に里山を維持継承できる管理システムや空間計画を模索することを目的とする。
 研究方法は、文献調査による地域の歴史の把握や地図による地理的状況の分析、現地調査による敷地の現状把握を行う。ヒアリング調査により里山との関わりや今後の関わり方について調査し、土地の空間構成の把握と、現状の問題を把握する。空間の計画と施工を行い、人の手が加わることで里山や住環境にどのような影響があるのかを検証し、里山の維持継承に繋げる。
里山は、自然と人間が共存する多様性のある場所であると同時に、自然界の脅威から人々の生活を守る防壁とも言える場所である。そのため、これからを担う次の世代が里山の存在意義を理解し、管理していくことが重要である。
 新たな里山として『通う里山』を提案することで、地域外の人々が里山を利用するハードルを下げることが可能であり、里山利用にあたってのルールや労働力の還元によって里山管理を進めていくことで根際の住民と地域外の利用者の両者が納得のいく形で里山を維持できると考える。これらの活動により里山への人の出入りが増加すれば、自然環境も整備されていき、環境保護や獣害対策にも繋がっていくと結論付ける。

1.河北町西里根際の風景

2.放置された里山の様子

3.里山内に施工した竹階段