島裕貴|盛り場の変遷
新潟県出身
吉田朗ゼミ
中心市街地の活性化を考える中で夜の賑わいが重要であると感じた。その役割を果たすのが飲み屋街、所謂盛り場であると考えたが、それらの活気、盛り場内にある店舗数は現在衰退傾向にあり、人々の交歓の場がなくなりつつあるのではないかと仮説を立てた。そこで本研究では、過去と今の盛り場の活気、店舗構成の推移、加えて盛り場の今後を考察することを目的に研究を行う。またここでの盛り場は、都市計画家の石川栄耀が唱える「建築物で構成された都市美的な区域であり、そこに於いて市民は自由なる関係に於いて交歓する場」である。研究方法は、全国範囲での盛り場にある店舗の軒数推移、山形市、新庄市、鶴岡市、米沢市、長岡市における店舗(飲食店)集積地の特定、集積地近辺の店舗軒数、店舗構成推移を行い、盛り場の変遷調査を行った。
全国範囲の店舗数推移では、1981年から2021年までの12種の店舗(酒場、バー、食堂、寿司、料亭、蕎麦?うどん、喫茶店、遊戯場、マージャンクラブ、ゲームセンター、カラオケボックス、宿泊関係)の軒数推移を調査した。全体の傾向として減少していることが分かった他に、2006年から2012年にかけて減少傾向が強くなっていた。その背景にはリーマンショックと東日本大震災があり、経済が良くない状況が続いたことからこのような結果になったと考えられる。このことから盛り場は経済の影響を大きく受けると言える結果が得られた。集積地特定で山形市は香澄町1丁目、新庄市は若葉町、鶴岡市は本町1丁目、米沢市は中央1丁目、長岡市は殿町3丁目に最も集積していることが分かった。これらの場所近辺にある店舗(寿司?割烹?料亭、スナック?バー?キャバレー?クラブ?パブ、定食?食堂?レストラン、居酒屋、焼肉?焼き鳥?ステーキ、ラーメン屋、喫茶店?コーヒーショップ、蕎麦?うどん、娯楽施設、ホテル?旅館)の1980年代から2020年代までの推移を調査した結果、新庄市、鶴岡市、長岡市は店舗の軒数が減少していたが山形市、米沢市は増加していた。その要因を調査した結果、公務員の人数が関係している可能性があることが分かった。最後に盛り場の今後については現代のデジタル社会でも消失することはないだろう。盛り場は人間の本態である交歓を満たす場所であり、交歓はなくてはならないからだ。
1. 山形市 ほっとなる横丁
1. 山形市 ほっとなる横丁
3. 2023年 山形市の店舗軒数