高橋まな|古文書資料の保存?活用の 変遷と課題 ー全国と山形県を比較してー
山形県出身
佐藤祐輔ゼミ
地域には多くの未調査の文化財が残っており、保全が行き届いていない文化財も数多く存在する現状を現場で筆者は目撃しこと、山形県の公文書館設立までの流れを知ったことから本研究を開始した。本研究では、全国的な社会背景や法整備関連の流れと山形県の公文書館設立までの流れについて文献調査を行い、公開されている資料と聞き取り調査とアンケート調査より山形県の現状と比較事例をまとめる。これらを比較することでそれぞれの資料の役割を抽出し、今後の展望について筆者なりに考察した。
地域に残されている古文書?公文書に対する行政期間や研究者、地域住民の対応は大きく4つの段階に分けられる。(画像1)山形県では1970年代に初めて公文書設立に向けての運動が始まってからこの間に何度も公文書館設立に向けて動きが見られた。しかし他の文化財施設の建設やバブル崩壊などを理由に叶わなかった。そして2015年に山形県立公文書センターが設立された。
本研究では比較対象として、日本で4番目の県立文書館であり普及事業に力を入れた施設である、埼玉県立文書館を選定した。聞き取り調査とアンケート調査を行い、画像2の結果になった。両館の大きな相違点として教育普及活動が挙げられる。
本論の考察として、施設やシステム、人員など行政が主体となって動く部分に関しては提案することはできないが、利用者を増やし地域からの関心を集める形で活性化について提案したい。地域住民の関わり方の目線から、地域住民が地域の歴史に関心を持ってもらえる「場」になるために「普及活動」と行政の管理と他団体との連携?目録の共有といった「調査基盤」の点で古文書?公文書の保存?活用を提案する。比較によって埼玉県立公文書館の普及活動が活発であることが明らかになり、講座や展示など対象とする年齢層やカテゴリが多岐にわたって展開している。これは地域住民が展示を通して文書館に行き、文書類に興味をもってもらい、古文書?公文書を保存することの重要性を理解してもらえるのではないだろうか。この普及活動に力を入れることにより山形県の古文書?公文書への関心を地域住民はもつことが期待できる。結果、より活発な意見交換や要望が募り、施設の拡充ができるのではないだろうか。
1. 先行研究史概要
2. 山形県と埼玉県の公文書保存施設の比較