文化財保存修復学科Department of Conservation for Cultural Property

石川碧人|白神山地の保全活動とツーリズム活用のあり方について
宮城県出身
村上智見ゼミ

 自然物を文化財として保存するためには、人の手で管理をすることが不可欠である。しかし、人の手が加えられた自然環境は、本当に自然本来のものと言えるのか疑問が残る。また、自然遺産の価値を継承させるために、教育的視点を備えたツーリズム活用についても、保護において重要な活動になる。しかし、効果的なツーリズムのための整備や管理にも人の手を施す必要がある。更には、大勢の人が押し寄せることで、自然環境に大きな負担を及ぼしてしまう恐れがある。?
 このような保全とツーリズム活用の両立について、同様の懸念点を対象にした先行研究や文献について調べたところ、それぞれの遺産ごとに対処する必要があるという内容にとどまっており、具体的な回答や指示は明記されていなかった。?
 そのため、本研究では本研究では自然遺産の保全とツーリズム活用の効果的な両立を図ることを目的とし、モデルケースとして世界自然遺産に登録されている東北地方の白神山地に対象を絞ることとした。(図1)?
 調査方法は文献調査と現地調査の二つである。まずは文献調査にて白神山地を含む自然遺産の保護と活用に関する法律や規制、各県と自治体の取り組みなどを整理し、現地調査にて管理体制の実情と課題を明らかにする。文献調査で判明した調査結果として、環境保全のための基本的な考え方は、原則として人の手を加えずに自然の推移に委ねることを第一としている。現地調査では白神山地ビジターセンター?(図2)と世界遺産センター?(図3)に赴き、職員の方にヒアリングを行なった。遺産登録地域は、その全域が林野庁所管の国有林野である。登録地域には自然環境保全地域、森林生態系保護地域など、保全のための計8つの法令措置が存在し、これらに基づき国や専門家、地域関係者等と連携、協力を図りながら豊かな自然環境を保全、管理している。?(図3)

1.白神山地観光案内板

2.白神山地ビジターセンター

3.白神山地世界遺産センター藤里館