[最優秀賞]
秋本美鈴|月に住む
東京都出身
渡邉吉太ゼミ
アニメーション
アポロ計画から半世紀の時を経て、人類は再び月を目指す。NASA は2028年までに有人月面探査の実現を、2040年には有 人火星探査の実現を目指している。また、宇宙ベンチャーでは スペース X を筆頭に宇宙探査?開発競争が加速している。宇宙が開かれる過程において、最初期となる住まいとは何か。折り工学を用いた宇宙居住用展開構造物を計画する。
渡邉吉太 准教授 評
「ひたむき」という言葉が秋本以上に似合う人物に、僕はまだ出会ったことがありません。 早朝から大学閉館時間まで、毎日淡々とひたすらに手を動かし続ける姿には、神々しささえ感じることもありました。まるでデザインの神様が乗り移ったような。
「月に住む」という、もはや地球を離れた研究テーマを携えてミーティングにやってきた日のことを、今でも鮮明に覚えています。広大なテーマであり、方法論など何も見通せていない状況だったけれど、君なら自分だけの境地にたどり着いてくれるのではないかと信じることができました。そして見事に、座標の数式制御によって導いた、作為のない、けれども不思議な生命力を帯びた、美しい伸縮展開構造を生み出しました。
成長も挫折も傍らで見守ることができた一年は、指導教員としてこの上なく幸せな時間でした。 最優秀賞、おめでとう。