[優秀賞]
竹迫界斗|ノンノサン
北海道出身
吉賀伸ゼミ
700×1200×1800mm 白色花崗岩
?を合わせて拝む。それは誰もが時に何と無く?う?動である。しかし、拝んでいる対象がどのようなものであるかを、しっかりと認識している?はどれほどいるだろうか。中には、「それらしい格好」をしていながら、実は拝むべきではないものもあるかもしれない。
重要なのは?かけよりも、それが何を表しているのか、である。
吉賀伸 教授 評
この作品を前にすると、入学してすぐに石彫工房の外で一人で石を彫っていた彼の姿を鮮明に思い出してしまう。2年次で行う石彫実習まで待てず、まだろくに石彫のことなど習っていないのに、嬉々としてそこら辺の端材で石仏を彫っていた。こんな制作意欲の塊のような学生を見たのは初めてだった。誰にも教えることができず、誰からも教わることができない野生的な感性を持っていて、必ず作家になるだろうなと確信した。その時の作品はもちろん稚拙で荒削りなものだったが、洗練されていない分、天然のかたちの良さが光って見えた。それが彼の原形である。
温厚な人柄からは想像がつかないくらい制作に向けるエネルギーは凄まじく、その後も何体も作品を作って技術を磨いてきた。石彫工房からは毎日朝から晩まで石を彫るノミの音が響き、時には石を削る機械の爆音が轟いていた。この大作の卒業制作はまさに努力の結晶である。信仰と造形という普遍的なテーマはまるで、江戸時代の円空や木喰を彷彿とさせる。現代の円空?木喰となり得るか。