[優秀賞]
内藤剛志|MATERIAL VASE
新潟県出身
堀内芳明ゼミ
ジェスモナイト?粘土?楠?黒柿?錫?銅粉?真鍮粉?鉄粉
木材に錫やジェスモナイトを流し込み、木材と金属、木材と大理石のような、今まで物理的に表現できなかった組み合わせのマテリアルを用いて、花器を制作した。ジェスモナイトに金属粉を入れ、酸化させることにより、緑青や鉄錆といった金属ならではの表情を生み出し、木材と組み合わせることで新しいマテリアルを制作した。
堀内芳明 専任講師 評
従来、木材と金属や皮革などの異素材を組み合わせた製品開発は行われ、日々開発が進められています。内藤くんの卒業研究は木材と異素材の新たな組み合わせをテーマとして、近年、人体と環境に負荷が少ない樹脂として注目されている無機と有機のハイブリッド素材であるジェスモナイトに着目し、素材探求を行いました。
素材開発過程において、試作を繰り返しながら素地の質感や意匠性などの素材特性の理解を深めていき、素地への着色をはじめ、鉄粉や真鍮粉など金属粉を添加した素材変性、金属粉の化学変化を利用した腐食の表現方法など素材の持つあらゆる可能性を探求し、開発を進めました。
制作した花器は、木材と開発した素材を用いて、工芸品に強い関心を持つ内藤くんの独自性が表現されています。素材探求と工芸的要素を組み合わせた本作品は、本学科の卒業研究として新規性を持ち、今後の卒業研究の参考研究として成り得るものであり、優秀賞に相応しい取り組みと評価します。受賞おめでとう!